みなさん、レモングラスというハーブをご存じでしょうか。虫よけや香水、料理の臭み消しやハーブティーなどで活躍するレモングラス。タイ料理のトムヤムクンに使用されていることでも有名です。そんなレモングラスは、女性にとって嬉しい効果をもたらしますが、その反面で使用できる方が限られるという『二面性』もあるのです。
今回は、そんなレモングラスの良い面と禁忌について触れていきたいと思います。
レモングラスの基本情報
レモングラスは、レモンによく似た芳香が特徴的なハーブです。そのことから別名で『檸檬草』と呼ばれています。インド原産のイネ科、多年草で中南米、アジアの熱帯から亜熱帯にかけて自生しています。花はほぼつけることはなく、基本的には根と葉だけです。葉はハーブティーへの利用で人気があり、フレッシュ、ドライともによく利用されます。ミントと特に相性が良く、レモンに似た香りを持つ他のハーブ(レモンバームやレモンバーベナなど)とも組み合わせると美味しいブレンドが出来ます。料理では、ココナッツミルクやナンプラーの風味と好相性のため、ベトナムやタイなど東南アジアでカレーやトムヤムクンなどの香りづけによく使われます。他にも、魚やお肉の臭み消しにも使え、幅広い料理で活躍します。また、レモングラスに含まれるシトラールには『忌避効果』という虫が嫌がる効果があるため、虫よけスプレーや防虫剤の原料としても利用されています。レモングラスの乾燥葉を強くもんで香り立たせ、通気性の良いポーチなどに入れてタンスやクローゼットに入れたら、天然の防虫剤にもなります。
レモングラスの効能
レモングラスは防虫効果の他にも、様々な効能があります。
- 胃の調子を整える
- デトックス効果
- 美肌効果
- 血行促進効果
- 発熱/炎症の緩和
- リラックス効果
- リフレッシュ効果
- 集中力向上
- 抗菌/消臭効果
- 防虫効果
この他にも効能はありますが、一般的に上げられる効能は上記のものとなっています。また、ゴキブリ除けになることでもこのハーブは有名です。利用方法としては、ハーブティーやサシェ(匂い袋)、ポプリや香水、料理など多岐にわたります。ただ、ハーブの中でも強い作用を与えるため、利用に際してはいくつかの注意が必要になります。
レモングラスの嬉しい効果
レモングラスはこの記事の題名にもある通り『二面性』のあるハーブです。では、何に対して、どんな二面性を持つのかについて言及していきたいと思います。
実はこのレモングラスというハーブは、女性に大人気なハーブなのです。その理由は、レモングラスの効能で挙げたものの中の二つに関係します。デトックス効果と美肌効果です。この二つが、女性に人気な最大の理由となっています。
最初の方に記載した、レモングラスに含まれるシトラールには虫が嫌がるという効果もありますが、血管を広げる働きがあるといわれています。血管が広がることにより血流改善で血行が良くなり、肌細胞まで栄養成分がしっかり届けられるため、美肌効果が得られるようです。また、皮脂バランスを整え毛穴を引き締めてくれるので、ニキビなどの吹き出物に効果があります。
そして、レモングラスには利尿作用があります。最近レモングラスティーが「ダイエットティー」や「デトックスティー」と呼ばれるのは、この利尿作用によって体の老廃物や毒素を尿としてたくさん体の外に出してくれるからなのです。また、余分なコレステロールの吸収を抑え、LDLコレステロールの酸化も防ぐと言われています。余分なコレステロールや尿酸も一緒に体の外に出してくれるのです。
このように、美肌効果やデトックス効果のあるレモングラスは、女性に嬉しい効果があるのでとても人気です。
ですがその一方で、絶対にレモングラスを摂ってはいけない方もいらっしゃるのです。次はそのことについて触れていきます。
レモングラスの禁忌
女性に嬉しい効果があると上記で記載したレモングラス。ですが、絶対にレモングラスを摂ってはいけない方もいらっしゃいます。これは、レモングラスを摂るうえでの注意事項にもなるので、ぜひ目を通してください。
まず、レモングラスはイネ科です。イネ科アレルギーの方は、使用を控えてください。また、成分に「シトロネラ―ル」というものを含んでいます。これは、猫が中毒症状を起こす可能性があるため、猫を飼っている方は注意が必要です。犬への使用も推奨されていません。そして、レモングラスは子宮収縮作用があります。そのため、特に妊娠初期から中期にかけての使用は、流産を引き起こす可能性があるため厳禁です。授乳中も使用を避けるようにしてください。また、月経中の方は月経痛が重くなってしまうことがあるため、妊婦さん同様に使用は控えてください。それから、レモングラスには血圧を下げる作用があると言われています。ですので、低血圧の人や血圧を下げる薬を服用している人は、摂りすぎると血圧が下がりすぎてしまう場合があります。
抗糖尿病薬、抗凝固薬、抗不安薬、抗うつ薬を服用している方はレモングラスとの相互作用(飲み合わせ)に注意が必要です。レモングラスには血糖値を下げる効果があるため、糖尿病治療薬と一緒に使うと血糖値が過度に低下する恐れがあります。また、血液をサラサラにする作用もあるため、抗凝固薬を服用している方も注意が必要です。そして、レモングラスには鎮静効果があります。ですので、抗不安薬や抗うつ薬と一緒に使用するとその薬の効果が強まることがあります。これにより、過度な眠気や疲労感を引き起こす可能性があり、治療のバランスを崩してしまうことがあります。現在、何かしらの薬を飲んでいる方は一度、医師に相談してからレモングラスを利用すると良いかもしれません
このように、レモングラスは女性に嬉しい効果をもたらす反面、使用する方によってはとても恐ろしい効果を与えます。子宮収縮作用と書きましたが、もっと言うならば堕胎作用があるということです。よく、摂りすぎなければ問題ないと書かれている記事も見かけますが、堕胎作用がある以上、摂らないに越したことはありません。妊婦さんや月経中の方、授乳中の方には注意が必要なこのハーブですが、リフレッシュしたい時やダイエットしたい方にはとてもお勧めです。ぜひ、試してみてください。
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