みなさん、5月に咲く花と言われて何を思い浮かべますか?道端に咲く花で言えばツツジ、アヤメ、マリーゴールドなどがありますよね。植物に詳しい方は、スズランや芍薬、藤、バラなどたくさんの花が咲き乱れます。
今回は、そんな5月に咲く美しい花たちを紹介していきたいと思います。
思い出のツツジ
小学校の通学路などに咲いているツツジ。登下校の際に花の甘い蜜を吸っていた方も多いのではないでしょうか。
ツツジは、50cm~2mの低木で、開花時期は4月中旬~5月中旬、白や赤、ピンク、紫の花を咲かせます。暑さにも寒さにも強い花木なので初心者でも育てやすいのが特徴です。日本のツツジの名所として、宮城県気仙沼市にある徳仙丈山や千葉県野田市の清水公園、三重県大紀町の大平つつじ山などが挙げられます。また、静岡の県花でもあります。花言葉は色によって異なります。白は『初恋』、赤は『燃える想い』『恋の喜び』、ピンクは『愛の喜び』、紫は『美しい人』となります。ツツジ全体を表す花言葉として『節度』『慎み』などもあり、様々な意味を持つことがわかります。ツツジの名所として九州では熊本県大津町にある大津つつじ園や長崎県大村市にある松本ツツジ園、福岡県久留米市にある久留米森林つつじ公園などがあります。
古くから愛されるアヤメ
山野に生え、剣のようにすっとした佇まいのアヤメ。今となっては別物と判明していましたが、古くはアヤメと菖蒲は同じ植物とされていたため、漢字で書くとどちらも菖蒲となります。
アヤメは、山野に生える多年草で、20cm~50cmの草丈をしています。開花時期は5月で、紫と白の花を咲かせ、暑さにも寒さにも強いため、初心者の方でも育てやすい植物となっています。アヤメの名所と言えば、山形県長井市にある長井あやめ公園や千葉県香取市にある水郷佐原あやめパークがあります。アヤメを使った慣用句「いずれアヤメかカキツバタ」がありますが、優劣がつけがたいということを意味しています。花言葉は『希望』『よい便り』『信じる者は救われる』『愛』『神秘的』などがあります。アヤメの名所として九州では福岡県柳川市にある椛島菖蒲園や福岡県北九州市にある戸畑あやめ公園、熊本県山都町にある花菖蒲園~紫陽花花園などがあります。
親しみあるマリーゴールド
誰しも一度は見たことがあるだろうマリーゴールド。その育てやすさから花壇に植えている方も多いのではないでしょうか。
マリーゴールドは基本的には一年草、一部多年草の20cm~100cmの草丈をしています。開花時期は4月~12月と長く花を咲かせ、黄色とオレンジの花を咲かせます。暑さには強いですが寒さには弱いため、少し注意が必要です。また、マリーゴールドにはいろんな品種があり、柑橘の香りがするものや甘い香りで切り花にできるものもあります。実は神話にも登場する花で、黄色のマリーゴールド、オレンジのマリーゴールドそれぞれ違う神話があるので、調べてみると面白いかもしれません。マリーゴールドの名所としては北海道美瑛町にある北海道四季彩の丘や福岡県福岡市にあるのこのしまアイランドパークがあります。花言葉は色によって異なり、黄色は『可憐な愛』『下品な心』、オレンジは『真心』『予言』があります。両方とも、神話になぞらえて付けられた花言葉になっています。マリーゴールドの名所として九州では大分県竹田市にあるくじゅう花公園や長崎県島原市にある有明の森フラワー公園などがあります。
可憐なスズラン
水仙と並んで春の訪れを知らせる代表的な花、スズラン。実は日本で最も多く栽培されている花で、白く可愛らしい見た目をしています。
スズランは山間部に咲く多年草で15cm~20cmの草丈をしています。開花時期は4月~5月で、白とピンクの可憐な花を咲かせます。寒さに強く、暑さにはやや弱い傾向にあります。スズランは甘い香りがあり、日陰でもよく育ちます。花言葉は『純粋』『再び幸せが訪れる』『謙虚』『幸福の再来』『あふれ出る美しさ』とポジティブな花言葉ばかりです。しかし、全草、特に花と根に毒をもつため、ブーケや花束には用いられません。スズランの名所として九州では熊本県阿蘇市にある波野スズラン公園があります。
美しく高貴な芍薬
「立てば芍薬座れば牡丹。歩く姿は百合の花」と言われるように、牡丹と並んで高貴な美しさを漂わせる芍薬。豪華で美しい花を咲かせ、バラに似た甘く爽やかな芳香を放ちます。
芍薬は60cm~120cmの草丈をする多年草で、開花時期は5月~6月です。赤やピンク、白、黄色などの花を咲かせます。寒さに強く、沢山の品種があります。花言葉は色によって異なり、赤は『誠実』『はにかみ』『荘厳』『威厳』、ピンクは『はにかみ』『恥じらい』、白は『はにかみ』『恥じらい』『幸せな結婚』『満ち足りた心』、黄色は『優しさ』『甘美』です。花言葉やその美しさから花束やブーケに用いられることが多いです。また、漢方にも使われており、芍薬の根を乾燥させた生薬で血を補い、痛みを止め、筋肉の緊張を緩めるなどの作用があります。
九州の芍薬の名所としては、福岡県福岡市にある舞鶴公園牡丹芍薬園や福岡県北九州市にある白野江植物公園などがあります。
美しい自然の天蓋藤
垂れ下がるように花を咲かせる美しい藤。自然の天蓋とも呼べるその可憐な美しさは、長く人々の心を癒してきました。名所も数多くあり、香りとしては甘く爽やかな芳香を放ちます。
藤は地表をほふくして成長する植物ですが、支えとなる樹木の高さによって10m以上も登ることのあるつる植物です。開花時期は4月下旬~5月中旬で、白、ピンク、紫の花を咲かせます。また、藤の香りには幸運をもたらすといった言い伝えがあることから、魔除けになるとも言われています。加えて、「不死」と読むこともできるため、縁起が良いとされています。しかし「不治の病」を連想させるなどネガティブなイメージもあることから病気の人への贈り物には不向きです。そして、藤の花には「レクチン」といった毒性が含まれているため、大量に摂取すると吐き気や嘔吐、めまい、下痢などの中毒症状が出る恐れがあるため、注意が必要です。花言葉は『優しさ』『歓迎』『恋に酔う』『忠実な』『決して離れない』です。九州の藤の名所としては、福岡県北九州市にある河内藤園や福岡県柳川市にある中山の大藤、佐賀県唐津市にある唐津城のフジなどがあります。
美の象徴バラ
気高く様々な品種があり、どれも美しく花を咲かせるバラ。「美しいものには棘がある」というように、その茎には棘があります。しかし、愛する者も多いバラの花は、甘く華やかで優雅なフローラルな香りがします。
バラの草丈は品種によって異なります。低木、つる植物で開花時期は5月中旬~6月上旬、6月中旬~11月と開花時期が長いことが特徴です。
花色は、白、赤、ピンク、オレンジ、黄、紫、黒、青、緑ととても多いです。寒さ、暑さにはやや弱い傾向にあり、また昔バラは育てるのがとても難しいと言われていました。しかし、今では初心者の方でも育てやすい品種のものがあるようなので、もし興味があったら調べてみてください。花言葉は色や本数によって異なります。全てを書くととても長いので、今回は有名な花言葉と本数の意味を書いていきます。白いバラの花言葉は『純潔』『真実の愛』『深い尊敬』『相思相愛』、赤は『愛情』『情熱』『熱列な恋』『美』、ピンクは『感謝』『優雅』『上品』『可愛い人』、オレンジは『絆』『幸多かれ』『信頼』『熱望』『健やか』、黄色は『友情』『平和』『献身』『愛の告白』、紫は『尊敬』『気品』『誇り』『上品』『高貴』、黒は『永遠の愛』、青は『奇跡』『夢叶う』、緑は『穏やか』『癒し』『希望を持つ』『安らぎ』『平安』です。本数の意味は
1本:ひとめぼれ、貴方しかいない
3本:愛しています、告白
4本:死ぬまで気持ちは変わりません
6本:貴方に夢中
7本:ひそやかな愛
9本:永遠に一緒にいたい
12本:感謝、誠実、幸福、信頼、希望、愛情、情熱、真実、
尊敬、栄光、努力、永遠
99本:永遠の愛、ずっと好きだった
108本:結婚してください
となります。他にもバラの色と本数の意味はたくさんあるので、ぜひ調べてみてください。九州のバラの名所としては熊本県熊本市にある熊本市動植物園バラ園や福岡県北九州市にあるグリーンパークバラ園、鹿児島県鹿屋市にあるかのやばら園などがあります。
この他にも、五月に咲く植物はたくさんあります。寒い時期から抜け出し、気温も温かくこの時期は、植物にとっては嬉しい時期です。可愛らしい花や美しい花が我先にと競うかのように咲きはじめるこの季節に、ぜひ紹介した名所に行って癒されてみてください。新しい発見があるかもしれません。
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